瓦屋根は大きな地震が起きたら落ちるって本当?(2021年2月24日 現場ブログ更新)

こんにちは。川崎市宮前区リフォーム会社のマサキホーム株式会社です。

2月13日に起きた福島県沖でのマグニチュード7.3(震度6強)の地震では広範囲で大きく揺れ、就寝時間帯だったこともありびっくりしましたね…!
地震大国日本では、東日本大震災から10年経った今でも南海トラフ沖地震や首都直下地震などの心配はつきません。

50年以上とも言われる高い耐久性、遮音性や断熱性などメリットも大きく日本伝統の品格ある瓦屋根の家ですが、大きな地震が起きた時、建物の被害で屋根瓦の落下、家の倒壊が多いのは事実です。
阪神淡路大震災、熊本地震、東日本大震災では瓦屋根の日本家屋が倒壊したり屋根瓦が落ち、沢山のブルーシートがかけられている屋根の映像がニュースで流れ、うちは大丈夫かな…と不安になった人は多いことでしょう。

 

1.震災が起きた時、瓦屋根の被害は多い

震災のときに瓦屋根が飛んだと言う話や、隣の家や車に瓦が落ちてしまったという話を聞いたことはあるでしょうか。
東日本大震災では、建物の一部が破損した件数はなんと34万件以上となっていて、瓦屋根の棟部(屋根のてっぺんの水平部分)の破損、特に築年数が古い家屋の被害が多かったと言われています。
茨城県では12万件超、福島県6万件超、栃木県5万件超、宮城県、千葉県、群馬県、埼玉県と続いて、それ以外の都道府県も合わせると34万件もの建物の一部破損の被害があったのです。
岩手県は津波の被害があったため換算するともっと多くなるでしょう。

この時の瓦屋根の被害では、棟瓦を葺き土(ふきつち:瓦をのせる粘土の層)のみで固定された工法の建物に被害が多かったようです。
大きな震災の時に瓦屋根が落ちてしまっても瓦屋さんが順番で回るため修理が追いつかず、雨漏りを防ぐためにブルーシートを貼って応急処置をすることになりますが、ブルーシートがすぐに間に合わない家もあるそうです。

また震災という緊急時に、すぐには屋根の修理に手が回らず雨漏りなどの二次被害になってしまことも考えられます。
瓦屋根の家や建物は多くありますが、全ての瓦屋根が大きな地震で落ちる危険があるのでしょうか…?

◆地震で被害を受けた瓦屋根の多くは古い工法


地震の時にあなたの家の瓦屋根が隣の家や車に落ちてしまったら…。

【瓦屋根1枚の重さは約3kg】
落下した場所にものがあった場合破壊してしまい、隣の家に被害があった場合賠償問題にもなってしまうケースもあります。
大きな震災で倒壊した家の多くは築年数の古い瓦屋根の家でした。
けれど瓦屋根の家全てが危険というわけではなく、古くに建てられた家の構造、瓦屋根の工法に問題があるのです…!

 

2.瓦屋根の工法と屋根の重さの違い

瓦屋根の工法には古くから使われてきた土を多く使う「土葺き工法」と、木の棒に引っ掛け釘を使って固定する「引き掛け桟瓦葺き工法」というものがあります。

【土葺き工法:20坪あたりの屋根の総重量:約4,800kg】
「湿式工法」や「従来工法」と呼ばれることもあり、大量の土を使って屋根瓦を固定する工法です。
昭和の初期までは主流な工事方法で、屋根全面に床土を敷き詰めて重い屋根瓦を葺くため、重量が増して建物が安定するなどのメリットがあると当時は考えられていました

また昔の工法の家は、大きな地震がきた時に瓦が落ちることで頭が軽くなり建物自体の倒壊を防ぐため、土の上に瓦を乗せているだけで釘などで固定していなかったとも言われています。
昔の家には瓦が割れた時に交換できるよう余った屋根瓦をストックしてある家もあるようです。

しかし、現在では見解が異なり、屋根が重くなると家の重心が上に上がり安定性が悪くなるため建物が倒壊する危険性が高まると言われています。

【引掛け桟瓦葺き工法:20坪あたりの屋根の総重量:約3,200kg】
桟木(さんぎ)と呼ばれる木の棒を取り付け、瓦を引っ掛け瓦を釘で止める工法です。
古くからの土葺き工法のように沢山の土を載せることはないため土葺き工法に比べると重くなく、大きな地震が起きても瓦が落下する心配はほぼありませんが、瓦自体は重いため耐震基準に適用されているとは限りません

昭和56年以前の”建築基準法”改正以前に建てられた家は耐震性能が今ほどなく、屋根に瓦を固定するために大量の土を使っていて、50年から100年前の家では、瓦の重さの3倍から5倍くらいの土が乗せられていることもあるのです。

 

3.土葺き工法の見分け方

築50年以上の家の場合、屋根裏を点検できるように和室の天袋(押入れの中の天井)に板を固定せずに外せる場所が1カ所あります。
そこから懐中電灯で照らしてみて、屋根裏面にささくれだっているものがあったり光が漏れていたら土葺き工法の可能性があります。

屋根裏を点検する時は床がベニヤなどの薄い素材の場所は床が抜けることもあり、釘が飛び出ていることもあるので注意しましょう!

地震で瓦屋根が落ちてしまったらどうしたらいい?

瓦屋根が1枚でも落ちてしまったら放置せずにすぐに対処をしましょう。
下地の防水紙に異常がなければすぐに雨漏りすることはありませんが、防水紙や下地が劣化しているとそこから雨漏りが起こってきます。

さらには下地の木材に雨水が染み込んでいくとそのうち屋根を腐らせてしまい最悪屋根が崩壊してしまうことも考えられます。
また瓦は重なりあってバランスをとっているため1枚落ちるだけでも全体のバランスが崩れてしまうのです。

 

4.瓦の種類と主な特徴

日本伝統の風格ある瓦屋根にはたくさんのメリットがある反面とても重いため、落下すると割れて落下地点にあったものを破壊してしまいます。

【粘土瓦:約30cm×約30cm/2.7kg】
粘土を使った焼き物で釉薬を掛けた「陶器瓦」、「いぶし瓦」、「素焼き瓦」があり、重厚感や陶器ならではの美しさがある。
耐久性:50〜100年程度
性能:耐火性・防錆性・断熱性・保温性が高く雨音が気にならない。
重量があるため頑強な構造躯体であることが必要。
メリット:耐用年数・デザイン性が高く塗装が不要。
デメリット:工事費用が高くなる。重いため耐震性が低下する。

重たいため風に舞って飛ぶようなことはほとんどないが、固定されていないものも多く直線的に落下し砕ける。また、瓦の上に落ちた場合は落下地点の瓦も砕ける。

【セメント瓦:約30.5cm×約31.5cm/3kg】
セメントと砂などの骨材を混ぜたモルタルをプレス・脱水・成型し塗料で着色した瓦で厚みがあり洋瓦型・平瓦型がある。
耐久性:30年〜40年程度。
性能:断熱性・防音性・耐火性・防錆性が高く雨音が気にならない。陶器瓦よりは軽いが頑強な構造躯体であることが必要。
メリット:粘土瓦より安い価格で瓦のデザイン性がある。
デメリット:現在ではほとんど生産されていない。重量があるため耐震性が低下する。

粘土瓦より重たく釘で固定されているため舞って飛ぶようなことはないが、落下した場合は直線的に落ちて砕け、瓦の上に落ちた場合落下地点の瓦も砕ける。

※固定されていない瓦屋根だと台風で飛んでしまうこともあります。屋根は高い場所にあり身近ではありませんが、瓦1枚あたりの大きさは意外と大きいのです…!

 

5.瓦屋根以外にも軽い屋根材は豊富!

瓦屋根の修理をするほかに、安全やコスパの面などから軽量の屋根材を使ってリフォームをする家は増えています。

瓦屋根以外の屋根材の種類比較

【化粧スレート】
セメントと人工繊維などを材料として薄く加工し塗料で着色したもの。
シンプルなデザインで色が豊富。
耐久性:20〜25年程度。
性能:耐火性・防錆性が高く約70kgと比較的軽量。
メリット:工事価格が安く耐震性が高い。
デメリット:塗装が必要で割れやすい。

【ガルバリウム鋼板】
鉄板とアルミニウム、亜鉛とシリコンでメッキ加工した屋根材で瓦のようなデザインのものもある。
耐久性:30年〜50年程度でメンテナンスは基本的に不要。
性能:防水性・防錆性・暴風性が高く約20kgととても軽量で建物に負担をかけない。
メリット:耐震性が高く錆びにくい。安価で工事ができる。
デメリット:防音性が低く雨の音が気になることも。

【アスファルトシングル】
ガラス繊維にアスファルトを染み込ませ表面に石を吹き付けたシート状の屋根材。
耐久性:20年〜30年程度。
性能:防錆性・割れない。
メリット:軽量で耐震性が高く複雑な形の屋根にも対応できる。
デメリット:コケが生えたり強風で飛ぶことも。
瓦屋根に比べると屋根の重さが6分の1程度まで軽くなるものもあります。

 

6.まずは耐震診断をしてもらいましょう!

瓦屋根にはメリットもたくさんありますが、古い瓦屋根(1981年6月の建築基準法改正以前に建てられた瓦屋根)にお住まいのみなさまには、この機会にリフォーム業者へ耐震診断を依頼していただくことをお勧めします!。

また、地盤の弱い地域に建つ築年数の長い家に住んでいる方も、同様にプロによる耐震診断をお勧めします。

 

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