寒い時期が近づくと、窓周りの結露が気になりますよね。中学校の理科の授業を思い出していただきたいのですが、結露が起こる原因には、空気の温度と空気の中の水蒸気量が関係しています。樹脂サッシには暖かさを守ることができる秘密がたくさんあるため、窓周りの室温が下がらず、結露を防ぐことができます。寒い地域では9割以上のシェア持っており、寒冷地以外にも徐々に広がっています。
樹脂製の製品ときくとば、代表的なものはプラスチックですよね。ずっと紫外線にさらされる窓に樹脂を使うとバケツのようにボロボロになってしまうのでは?といったイメージをお持ちの方もいらっしゃることでしょう。しかし、樹脂サッシで使われるのはプラスチックではなく「塩化ビニル樹脂」です。下水道管や自動車の部品にも使われているほど耐久性が高い素材ですので、耐久性に心配はありません。使用環境にもよりますが50年前後の寿命があると言われています。
今回は窓周りのリフォームにもおススメの樹脂サッシの特徴について解説します。
樹脂サッシとは?
まず、よく耳にする「サッシ」とは、窓のどの部分を指すのかご存じでしょうか?本来は窓の枠部分を作る建材のことをいいますが、一般的には『ガラス+ガラスを支えるフレーム+窓枠』のすべてをまとめてサッシと呼ぶことが多いようです。
樹脂サッシとは、窓枠部分を塩化ビニル系の樹脂で作っている窓本体をまとめて指していると理解いただければと思います。
樹脂サッシは省エネ先進国であるドイツで開発された商品です。紫外線に強く、長い間屋外で使える特徴や断熱性や気密性が高く外気温に左右されずに室温を保てることから、長く快適に使い続けられ、さらに省エネに貢献できる製品として考案されました。
日本で普及し始めたのは1970年代中頃だと言われており、北日本を中心とした寒い地域で広く使われるようになりました。
樹脂サッシのメリットとデメリット
樹脂サッシのメリットやデメリットについて紹介します。
◆樹脂サッシのメリット
- 断熱性が高い!
塩化ビニルはフライパンの取っ手にも使われるほど断熱性能が高いので、窓周りに使用すると、外の冷たい空気が窓枠を通じて室内に伝わるのを防いでくれます。
- 気密性が高い!
塩化ビニルは温度によって変形してももとに戻る性質を持っているので、室内に隙間風が入るのを防いでくれます。
- 結露しづらい!
暖かい室内で窓周りだけが冷えてしまうと、空気中の水分が水滴となってサッシ部分に付着してしまいます。樹脂サッシであれば、外の冷気を室内に伝えず、冷たい隙間風も防いでくれるので、窓周りが寒くならず、結露が発生しづらくなります。窓周りの結露は、濡れたまま放置してしまうと、カビの発生やほこりがつきやすくなり、アレルギーなど健康被害につながる心配もあります。
ただし、全ての結露を防げるわけではありません。たくさんの人が遊びに来ている、室内で鍋料理など湯気のあがるような食事をしている場合など、室内の湿度が著しく上がった時には、結露することもあります。
- 防音性が高い
気密性が高く隙間ができづらい構造なので、外の音が聞こえづらく室内が静かです。また、楽器の練習など室内で大きな音が出るような場合でも、漏れ出す音でご近所に迷惑を掛けることがありません。窓を閉めていれば時間帯を気にせずに心おきなく練習可能です。
- デザインを選べる
色やデザイン、形状のバリエーションが豊富なので、お好みのものを選択できます。窓の開き方も様々なので、設置するお部屋の使い勝手に合わせて選ぶことができます。
◆樹脂サッシのデメリット
- 重量感がある
強度を保つために樹脂部分を厚めにして作られています。高齢者や子どもにとって開閉時に重さを感じることもあるようです。
- コストが掛かる
従来のアルミサッシと比べると設置費用が高くなります。
- 変色する
紫外線によって、色が白茶けてきます。普及し始めた当初の商品では、黒のサッシだったはずが、モスグリーンのように変色することも多くありました。製品技術の進歩によって、表面にアクリル塗装が施された商品が一般化しているので、現在では変色の心配は大幅に減少しています。
断熱性を高めるにはガラスの枚数や厚さも重要!
樹脂サッシを使う場合には、ガラスの断熱性も重要になります。サッシ部分の結露を抑えられても、ガラス部分が冷えてしまうとガラス面には結露が生じてしまうためです。そのため。金属膜でコーティングしたLOW-Eガラスを使った2層のガラスや、3枚のガラスを組み合わせたトリプルガラスを用いることが大半です。ガラスの間の空気層が断熱効果をもたらします。また、ガラス間の空気層で内部結露が起きないようにしっかりと密閉させて作られています。
リフォームにおススメの樹脂サッシ3選!
◆エクセルシャノン「シャノンウィンド」
エクセルシャノンは日本の樹脂サッシの取り扱いでは老舗といえるメーカーです。
1976年の創業以来、樹脂サッシに特化して様々な技術を開発しています。気密性に優れているほか、3層ガラスを用いて、ガラスの表面から冷気が伝わるのを防いでいます。
メンテナンスにも配慮が行き届いており、部品の単品交換が可能で窓全体を交換しなくても不具合を解消できるのも大きなポイントです。
◆LIXIL リプラスシリーズ
外に出られるドアタイプの窓交換では、どうしても足元の段差が大きくなりがちでしたが、この商品は段差を解消してすっきりさせることが可能です。
リプラスシリーズは、窓のデザインもサイズも豊富なので、現状の使い勝手が気になる場合も解消することが可能です。
◆YKKAP 「APW330」
3層のLOW-Eガラスと樹脂サッシを使って、国内最高水準の断熱性を実現しています。
ガラスとガラスの間の内部結露について、10年間の長期保証がついているのは、高い技術力の証明であり安心感を得られることができます。さらに、断熱性の高いAPW430シリーズも寒さの厳しい地域ではよく選ばれています。
まとめ
樹脂サッシのメリットやデメリット、窓サッシ交換におススメの商品について紹介しました。
寒さの厳しい北日本でよく使われている樹脂サッシは、室内の冷気防止や結露に悩まされることがないなど、日本中どこの地域で使っても室内に快適さをもたらしてくれます。また、防犯性能を高めたサッシやさらに窓周りは、家の中でも最も室外に暖かさが逃げていきやすい箇所です。どれだけ、壁や天井などの断熱性を高くしても、窓の対策をしなければ暖かさを保つことはできません。窓周りを見直すことは、省エネや光熱費の削減を目指すうえで最も非常に大切なポイントと言えます。まずは、特に冷気が気になる寝室や家族の集まるリビングなど、数か所だけでも交換してみるとその快適さを実感できるはずです。
今のお住まいの築年数や、お住まいの自治体によっては、省エネに関する補助金を使ってお得に工事できる場合もあります。
エネルギーの無駄を省いて、最小限の冷暖房で快適な室内環境を保つためにも、窓サッシ交換を検討されてみてはいかがでしょうか。
窓リフォームについては、下記のブログもご覧ください!
窓サッシ交換ではなく、室内側に窓をもう一枚増設する方法もあります!
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