こんにちは。川崎市宮前区リフォーム会社の山根です。
春先から梅雨入りにかけては、一年の中で一番外壁塗装をされる方が多くなる時期です。夏に向けて雨が多くなる時期に備えるという理由もありますが、施工時に窓を養生するので、窓の開閉やクーラーの使用ができないタイミングがあるからです。そのため暑くも寒くもない時期がお施主様にとっても職人にとっても好ましい時期となります。しかしこの時期以外でももちろん外壁塗装はお受けできますので、いつでもお気軽にご相談くださいね!
今回は外壁塗装に使われる塗料の中で「光触媒塗料」についてお伝えします。さまざまな外壁用塗料がある中で、光触媒塗料にはどのような特徴があるのでしょうか?おうちの外壁塗装をお考えの方はぜひご参考ください。
1.光触媒塗料は汚れを落としてくれる優れもの
光触媒塗料は、塗料の中に含まれている二酸化チタン(TiO2)が太陽光(紫外線)に反応し、活性酸素を発生させ、外壁につく排気ガスなどの汚れをセルフクリーニングしてくれる優れものです。そして分解した汚れは、雨が降った時に洗い流されます。言わば雨が降るたびに外壁が綺麗になる塗料なのです。
2.光触媒塗料はどうやって汚れを落とすの?
光触媒塗料は「親水性」といって、水が外壁の表面になじむ状態になります。外壁の表面で水が膜のように広がり、壁の汚れの下に入り込んで汚れを浮き上がらせて流します。この「親水性」と対照的なのが「撥水性」です。こちらは水を弾いて「汚れを寄せ付けない」というイメージです。
3.光触媒塗料のメリット
光触媒塗料のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?ご紹介します。
➀外壁につく汚れを落としてくれる
前項でもお伝えしたとおり、光触媒塗料の最大のメリットは雨が降るたびに外壁の汚れが流れ落ちるセルフクリーニング作用といえるでしょう。この作用により外壁を長く美しく保つことができます。
②メンテナンスがほぼいらない
汚れがつきにくいので、外壁のメンテナンスの手間がかかりません。メンテナンスの時間が取れない方、洗浄の頻度を少なくしたい方にはおすすめです。
③耐久性に優れている
光触媒塗料の耐用年数は約15年~20年と言われています。他の塗料は紫外線を浴びることによって劣化しますが、光触媒塗料はその紫外線を利用して外壁を綺麗にするため、長くおうちを守ることができます。
➃地球環境に配慮している
光触媒塗料を塗った外壁に太陽光が当たると活性酸素が発生します。光化学スモッグの原因となる物質を酸化させ、除去することができます。空気を浄化させるという点では、環境にもやさしい塗料だと言えるでしょう。
⑤防臭・防カビ・防藻効果がある
臭いを分解する、カビに強い、苔が付きにくいといった効果が期待できます。
4.光触媒塗料のデメリット
光触媒塗料のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?ご紹介します。
➀コストが高い
光触媒塗料は他の塗料に比べるとコストが高くなります。費用が高くなる理由としては、販売されてからあまり年数が経っていない、比較的新しい商品だからということでしょう。具体的な費用の相場は後述します。
②職人の技術が必要
光触媒塗料は他の塗料と比べると粘度が低く、サラサラとした質感です。非常に垂れやすいため、塗るのに技術を要します。光触媒塗料の扱いに慣れた、実績のある施工業者を選びましょう。
③乾燥に時間がかかる
光触媒塗料は他の塗料と比べると乾燥に時間がかかるほか、施工時の天候や気温などにも注意が必要です。
➃外壁の色が限られる
光触媒塗料は白っぽい、明るい色には効果を発揮しやすいのですが、黒っぽい、暗い色では効果を発揮しません。そのため「今度の外壁塗装はダークな色にしたい!」という方には他の塗料をおすすめします。
⑤仕上がりにツヤがない
光触媒塗料の塗面にはツヤがなく、マットな仕上がりになります。仕上がりにツヤがほしいという方には不向きな塗料です。塗膜も固いため、アクリル系の塗料に比べるとひび割れを起こしやすいと言えます。
⑥太陽光が当たらない場所では効果がでにくいことがある
光触媒塗料は、基本的に太陽光(紫外線)が当たることによって汚れを落とします。そのため日照時間の短い北側の外壁や、日当たりのよくない場所では効果をじゅうぶんに発揮できません。現地調査の時だけでは業者の方も把握しきれないので、日頃から日の当たり具合を知っておく必要があります。
⑦屋根には施工できない
光触媒塗料には屋根用タイプが販売されておらず、屋根には他の塗料を使用しなければいけません。屋根の塗料を選ぶ際はその後のメンテナンス時期を揃えることを考えて、光触媒塗料と同じぐらいの耐用年数の塗料を選びましょう。
5.光触媒塗料の種類
代表的な光触媒塗料は以下のとおりです。
➀ピュアコート(株式会社ピアレックス・テクノロジーズ)
1㎡あたり約3,000円
②エヌティオ(日本特殊塗料株式会社)
1㎡あたり約3,500円
③アパタイト光触媒塗料(株式会社ニュートラル)
1㎡あたり約2,000円
以前は、TOTOの子会社であるTOTOエクセラ株式会社が「ハイドロテクトコート」という商品を生産・販売していましたが、2017年に販売終了しています。
6.光触媒塗料の費用相場
光触媒塗料の費用相場は1㎡あたり3,500円~5,000円です。
ちなみに他の塗料の費用相場と比較すると
・光触媒塗料 3500~5,000円
・アクリル塗料 1,000~1,500円
・ウレタン塗料 1,500~2,500円
・シリコン塗料 2,500~3,500円
・フッ素塗料 3,500~5,000円
・無機塗料 3,500~5,000円
外壁塗装で利用されることが多いシリコン塗料など比べると、光触媒塗料の費用相場が高いことがわかります。
7.まとめ
今回は光触媒塗料についてお伝えしました。太陽光と雨の力で外壁をセルフクリーニングしてくれる光触媒塗料は、一口で言うと「汚れ防止」を重視される方におすすめの塗料です。外壁用塗料の中でも特殊塗料と言われる光触媒塗料は、業者によっては対応していないところもありますし、施工の難しさからおすすめしないというところもあります。しかしお伝えしたように、光触媒塗料の機能には、地球環境への配慮など他の塗料に見られない素晴らしい点もあり、今後の進化に期待できる塗料とも言えるでしょう。一部の光触媒塗料では遮光効果も期待できるそうで、昨今の気温上昇に大きく役立つ塗料になるかも知れません。外壁用塗料にはさまざまな特徴があることから、何を選ぶか非常に悩ましいところです。そして塗料選びも大切ですが、選んだ塗料の性能をじゅうぶんに活かしてくれる業者選びはもっと大切です。信頼できる業者を選び、そして納得されたうえで決定されることをおすすめします。
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